お燈まつり・お灯まつり  「おとう」に上ってきました。その6

熊野-くまの

 では、つづきです。

 

迎え火が、中の地蔵に向かって降りて行った後、上り子は、今度上がってくる御神火を自分たちの松明にいただく準備を始めます。いままで頭巾をかぶっていなかった上り子も頭巾をかぶり、マスクをしたり、さらしで口元を巻いて備えます。子供達が、スイミングのゴーグルをはめているのも見かけました。

 

装束を整えた上り子達がそれぞれの場所で、円陣が出来てそれぞれの松明からはずした花を集めて集まりはじめます。

 

しばらくすると、遠くでどよめきが聞こえます。

 

暗闇の中を、進んでくる赤々と燃えさかる松明が見えます。中の地蔵で、御神火をいただいた上り子が、頂上の我々の所へ進んで来ます。走りながら、円陣の中心に集めた、松明の花に御神火を分けながら、こちらの円陣、また少し先にできた円陣に、あちらの円陣にと走りながら御神火を届けてくれます。

 

村上さんと自分がかこむ所にも、中心に集めた花に御神火がつけられました。月明かりの暗闇の中、昼間のように明るくなって火がおこります。いよいよ自分も、御神火を自分の松明にいただきます。火の粉と煙がすごいです。ある者は、燃えさかる松明を岩にたたきつけて、火の調節をします。こうしないと、あっという間に松明が燃えて短くなって、松明を持つ手に火が近くなるのと、これから山を下りるまで、足下を照らして降りないといけないからです。また、わらじで、燃えさかる松明を、叩き踏んで火の調節をする強者のご年配者も見ました。

 

上り子の持つ松明や代参用の松明に、どんどん御神火が分けられて行きます。火の点いた松明が、神倉神社の境内にどんどん数を増していきます。自分もかかげ持つ、真っ赤に燃えさかる松明の火の粉が手元に落ちて来ます。はんぱでなく、熱いです。煙もはんぱじゃありません。目には、煙がどんどん入ってきます。煙で、目がしみます。

 

そして、それぞれの上り子の持つ燃えさかる松明に書かれた、御祈願が、煙と共に空へ上がっていきます。

 

門が閉じられこの燃えさかる松明の熱い熱い火ともうもうと立ち上る煙でしばらく、上り子は、いぶされ続けます。頭上に持つ真っ赤に燃える松明から時々、落ちてくる大きな火の粉を、払いながらひたすら開門を待ちます。

 

 こんな感じです。ビデオは、今年のではありませんが、参考に見ていただいたらと借りてまいりました。masato001414さま、ありがとうございます。

 開門と同時に鳴り響く法螺貝の音が鳴り響く中、上り子が、我先と山門を飛び出して行きます。

 

 お燈まつり

 

 

わー、  わー、  わー

 

わっしょい、  わっしょい

 

 

わっしょい、   わっしょい

 

時々には、

 

うぉー うおー うぉー  と重なり 

 

ぶぉー 

 

ぶぉー  とおおきなどよめきが、聞こえます。

 

 

遠くで、ひときわ大きな声が聞こえて、遠くに見える、鳥居のところの松明の火がいっせいに動くのが見えます。上り子のひときわおおきなどよめきに、ホラ貝の音もかすかに聞こえます。門が開きました。

 

 ビデオは、今年の開門のようすです。

お燈まつり 和歌山県新宮市・神倉神社

 

村上さんといよいよ、燃えさかる松明をかかげ持ち、山をおりるため境内の参道を門の方に歩き始めます。すごい人数ですので、ゆっくりゆっくり進みます。

すると、村上さんが、自分の方を振り返って「もう門を先を競って走り出た者の中には、下に着いたでしょうね。 」 と…

 

  自分たちが、いる参道めがけて、岩の上にいたたくさんの上り子達が、火のついた松明を持って、岩肌を滑り降りてきます。火と一緒に滑り下りてくるので、怖かったですが、なかなか圧巻な光景でした。

 

突然、後ろの方が、自分をたたいてくれて、装束についた火を払って消してくれました。

 

やっと、門を出ましたが、もう走り降りるような状況では、ありません。真っ暗な中を松明の火だけで降りて行く、白装束の上り子が、ぎっしりと降りて行くのが見えます。幻想的な風景です。

 

時間をかけて、中の地蔵まで降ります。中の地蔵では、消えてしまった松明に、火の残る上り子から、また、火を分けてもらっています。

 

中の地蔵から下の鳥居までの、石段は特に急峻なので氣をつけておりました。ここの急峻な石段は、まさしく「手首を立てたるがごとし」ということばがぴったりなところです。弘祥も高校時代クラブのトレーニングで、駆け下りたことがありますが、下っているとき、自分の意に反してブレーキが効かず、だんだんと勝手にスピードが増していく急峻な石段で、顔が引きつったことが何度もあったのを思い出します。下の鳥居をくぐって降りきった境内の滝の前で、以前このぶろぐで紹介しました患者さまの3代目ヒサシさんも今年も上り子としてお灯まつりに参加されており、お会いしてあいさつを交わしました。

 

太鼓橋を渡ったその先には、上り子を待つ女性達で、ひしめいておりました。また、たくさんの観光客の方もおられるようでした。その間を縫うように通路が出来ているのですが、ちょうど上り子が、一列に歩いていける位しか空いていません。ぎっしりです。その女性達の中を縫うように歩いて行きます。

 

国道に出て、びっくりです。自分たちが、横切ろうと近付いた時、ちょうど赤信号になったのですが、機動隊員の持つ盾で行く手を完全にふさがれました。青信号になり、盾が一斉に90度まわって、盾のすきまから国道を渡り、引本君のお店に帰りました。彼は、もう早くに降りておりました。初上りの感想を聞かれました。自分は、「良かった。とっても、感動した。この感動は、言葉であらわせれない…。」とすると、引本ちゃんが、「なんか、ええやろう。感動したやろう。これで芝ちゃんもやみつきになるで~。来年また、一緒に上ろうやぁ…」と来年また、上る約束して「ありがとう。」とお礼を言ってお店を後にしました。

 

村上さんと一緒に途中まで、帰ったのですが「こここんなになりましたよ。」と右手の手っ甲を見せてくれたのですが、手っ甲の部分が焼けて大穴が開いておりました。それも、半端じゃなく大きな穴でした。

 

そして、村上さんとも「ありがとうございました。来年また、上りましょう。」とお互い約束してお礼を言って別れて帰路につきました。 

 

 下は、自宅に帰った時に、家族が撮ってくれたものです。

 

               

 

 そうしたら、嫁さんが、「危なかったねぇ」 と…「うしろ燃えているよ。」とまた、記念撮影をしてくれました。

 そういえば、腰のあたりが熱かったのですが、ちょうど、腰にカイロを入れていたので、そのせいだと思っていたのですが…、そうじゃなかったみたいです。ほどいた縄が焼けていました。

 

 

             

 

 装束を脱いだら、燃えて穴が空いておりました。

 

               

 

 

脱いだ装束を、洗面所のハンガーにかけると、洗面所にかかる、カレンダーの一部が見えておりました。

 

            

 

 

 

 いただいてきた、御神火は、上り子の男衆から無事の帰りを待つ女衆の手元に渡っされます。そして、女の手で神棚や床の間や玄関などそれぞれの家のやりかたで、燃えて短くなった松明が、置かれて行きます。

 

我が家は、嫁さんの手で、神棚に、納められました。これから、1年間我が家を見守っていただきます。

 

お灯の翌日、神様のお部屋には、木の焼け焦げた、なんとも言えない香りが、充満しており、氣持ちがいいです。

    

 

           

 

 

本当に長い長い文章を、読んで下さりありがとうございます。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

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